背伸びして、キス


「お前、子どもの相手うまいな」

「え?あはは。私も子どもだからですかね」




笑ってそう言うと、一条さんの真剣な瞳がこちらを見た。



「悪いけど、お前の事子ども扱いするつもり、俺はないよ」

「え・・・」

「それとも、子ども扱いしてほしいのか?」




おさまりかけていた鼓動が煩く鳴り響く。
私はぶんぶんと首を横に振る。



「ほら、お前ら準備できたから食べに来い!手洗いに行くぞ」

「はぁい!」



一条さんは簡単に私の気持ちをさらっていく。
スマートにそして大胆に。



大人ってずるい。




私は翻弄されてばかりだ。





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