背伸びして、キス
「一条、お前も子どもとはしゃいだりすんだなぁ」
「え、まぁ。人並みには」
「めっちゃ違和感だわ」
迎えてくれた会社の人たちが一条さんをからかう。
一条さんがはしゃぐのって確かにイメージにはないかも。
もしかして頑張ってくれたのかな。
「親戚の子と遊ぶならそれくらい若々しくしないと、ついていけないかもね」
クスクスと笑いながら工藤さんがそう言った。
この人はどうあっても私の事親戚の子だって思いたいのかな・・・。
そりゃあ、私が彼女なんて思いもしないだろうけど。
「親戚の子・・・?なんのことですか?」
「なんの事って、一華ちゃんの事よ。いいわね、こんな可愛い親戚がいるなんて」
他の女の人がそう説明をする。
いいんだ。
私ここでは親戚だって思われても。
一条さんの中で彼女だったらいいってさっき思ったんだもの。