背伸びして、キス
第4章

寂しいなんて言えないけど



バーベキューを終え、一条さんとはまた会えない日々が続いていた。
なんでも、仕事が立て込んでいるらしくメールの返事すらままならない。


世の高校生たちは、彼氏と旅行に行ったり花火大会に行ったりと華々しい夏休みを過ごしているというのに。


でも、我儘なんて言えないよね。
社会人の一条さんを好きになったのは私。


一条さんは警告してくれたのに、それでも好きだと言ったのは私。




少しくらい寂しくたって我慢しなくちゃ。




携帯が鳴る。




『今日も暑かったな。これから晩飯だ』




一条さんからのそんな連絡。
時計を見るともう10時になろうとしていた。
これから夜ご飯なんて・・・。


本当に忙しいんだ。




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