背伸びして、キス
彼女の資格
「一華に・・・彼氏が・・・」
なんだか絶望的な声を出すのは武くん。
武くんとはあのカラオケ以来。
「しかも、あのカラオケの時に会った男とか!」
「う、うん」
そういえば武くんは会ってたな・・・。
そう思って苦笑する。
なんでこんなにがっかりしてるんだろう。
自分が彼女いないからって先越されたとか思ってんの?
思ってそう・・・武くんだしね。
「そういえば、仕事は落ち着いたの?」
「あー、ううん。まだ。でも、会いたいっていったら電話してくれたんだ」
「へぇ、よかったじゃん」
「うん」
それからまた連絡もまちまちの待ち惚け状態なんだけどね。
もともと連絡はマメじゃないみたいだし。
時々ちゃんと連絡してくれるだけ嬉しいんだけど。
ご褒美だってあるし。
「なにそれ、会ってないの?」
「え?あ、うん。仕事が忙しいんだって」
「それ、本当なのかよ」
「え・・・?」
武くんが険しい表情で言う。