背伸びして、キス


「忙しいって言ったって、少しくらい時間とれるだろ。少しだけ会えるだけでもいいだろ。それなのに、その数分さえも会おうとしないって、お前いいように使われてるだけじゃねぇの?」

「ちょっと武!」

「女子高生と付き合えるってのが嬉しいっていうただのロリコンじゃねぇの!?」

「違うもん!洋介さんはそんなんじゃない!」



叫ぶようにそう言った。
武くんは一瞬怯んだように表情を変えた。
普段怒鳴ることなんてない私が叫んだから驚いたんだ。

だって、聞き捨てならないそんな事。
洋介さんを悪くいうのは許せないよ。


「だ、だって。じゃあ何で会ってくれないんだよ。会いたいって言ってんのに時間つくらねぇのはそう言う事じゃないのかよ」

「電話してくれたもん!嬉しい言葉たくさんくれたの!」

「電話なんかスマホがあればどこでだってかけれんじゃん。簡単に済まされてんじゃん」




違う。
違うのに。


なんでそんな事言うの。
私が、納得できたのに。

どうしてそうやってかき回すこと言うの。



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