背伸びして、キス
「寂しくなんて、ないですよ」
あ、でも。
いつも感じてた心の中にぽっかりと空いた穴。
それは最近感じなくなったかもしれない。
洋介さんがいてくれるからかな。
「夏休みの最後の週に、1週間だけ帰ってくるんです。半年ぶりくらい」
「・・・そうか」
「義務みたいに。別に、無理して帰って来なくてもいいのにね」
そう言って笑うと、洋介さんはひどく悲しげに微笑んだ。
「ここです。ありがとうございました。それと、本当にごめんなさい」
「いや、こっちこそ。また連絡する。それと、行きたいところ考えとけよ」
「はい」
少しの時間でも会えた。
満足してたのは本当だけど、やっぱり会えるのは嬉しかったんだ。