背伸びして、キス

やっぱり私じゃだめなのかな



「はぁ・・・はぁ・・・」



息を切らし全速疾走でそこに向かった。
何度も赤信号で飛び出しそうになりクラクションを鳴らされ。


気持ちばかりが急いて急いて。



「あ、あの!今日ここに運ばれてきた、一条洋介は・・・」




総合受付で叫ぶ。




「少々お待ちください」




拳をぎゅっと握って。
急く気持ちを落ち着かせる。



「一条様でしたら、あのエレベーターで3階に上がってください。307号室です」

「ありがとうございます」



お礼を言って、私は急いでエレベーターに乗り込んだ。
一条さんが倒れた、と聞いたのは今から1時間ほど前の事。



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