背伸びして、キス
「あー今日も学校かったるい」
「ふふっ、頑張ろうね」
物事をはっきりと言う涼子ちゃん。
自分の想いをちゃんと言葉にできずいつもおどおどしてしまう私とは大違い。
「進路、決めた?」
「短大にしようかと思ってる。推薦入試で受けれそうだから、11月くらいに入試だよ」
「管理栄養士だっけ?」
「うん。私にできる事ってそれくらいかなって」
「家でも料理とかしてるんだもんね、将来かぁ」
将来。
そんなしっかりとプランがあるわけじゃない。
未来なんて見えないし、したいことなのかもわからない。
ただ、自分にできることを探したらそれだった。
「でも、11月か。すぐだね」
「うん」
「でもそれで決まったら後が楽。いいなぁ」