背伸びして、キス
「よ、洋介さん!洋介さん!いますか!?」
必死に叫んだ。
顔が熱い。
きっと顔は赤いだろう。
でもよかった。
粉のおかげできっとばれてないよね。
「一華・・・?」
その声に、はじかれるように駆け寄り手を取った。
「一緒に来て!私と、走ってください!」
精一杯の想いを。
洋介さんは笑って頷き一緒に走ってくれた。
≪途中止まっていた足立さん!一着でゴール!一緒に走ってるのは誰でしょうか!?数秒遅れて2着は・・・≫
緊張と、走ったことで肩で大きく息をする。
私の手は洋介さんの手を握ったまま。
「それじゃあ、内容を確認していきますよー」
司会の生徒が私の側に来る。
どうしよう・・・。
私はためらいながらその紙を渡した。