背伸びして、キス


「ええっと、なになに・・・。お、おお!これは、当たりをひきましたね!」



司会者が興奮したように叫んだ。
あ、当たり?
当たりだったの、それ。




「足立さんが引いたのは、『好きな人、LIKEでもLOVEでも可』というカードです!」



司会者の言葉に、黄色い声や囃し立てるような声が上がる。
洋介さんは驚いたように私を見た。
私は洋介さんの顔が見れずに俯く。



「ちなみに、LIKEの方ですか?LOVEの方ですか?」

「えっ、あっ・・・、ら、ラブの方です・・・」



ここまで来て嘘はつけなくてそう言った。
恥ずかしすぎる。

その言葉で一層盛り上がる会場。



「おおー!えっとちなみに、彼さんはどうなんでしょう。両思い、なんでしょうか」

「え・・・、ああ。もちろん。俺にとっても、ラブな方です」

「うおおおお!なんかものすごくのろけを聞いた気分です!ありがとうございました!お幸せに!」



司会者は次の走者に話を聞きに行く。
ものすごく恥ずかしくて、心臓は今にも壊れそうなくらい音を高鳴らせている。




< 213 / 351 >

この作品をシェア

pagetop