背伸びして、キス


今まで、誰も見ていないし、目立つこともしたくないし。
なんとなくで過ごしてきた。


それでも、問題なく体育祭だって、他の行事だって過ぎていったし。


自分という人は、その行事の中の当事者というより、傍観者のようで。
それでよかったし、変えようとも思わなかった。


だって、変えたところで誰が見ているわけでもないし。
私には、似合わないことだと思ってた。



でも。
少し勇気を出しただけで。
一歩踏み出してみただけで。



こんなに景色が変わったんだ。



キラキラと、光り輝く粒子が辺りに散らばってるみたいに。
世界が輝いて見えた。




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