背伸びして、キス


そこにいるのが、なんで俺じゃないのかと。
どうして俺は、こっち側にいるのかと。



同じように汗をかいて、同じように楽しんで、青春をして。




そうやれるのがどうして俺じゃないのかと。





そう考えて、ああ、と気づいた。




俺は嫉妬してる。
高校生であるあの仲間たちに。



そして絶望してる。
自分がもうそこから遠い場所にいるんだと自覚して。



最初からわかってたはず。
自分が言ったんじゃないか。


何度も気づかされては改めて思って。
そうしてまた同じように思うんだ。



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