背伸びして、キス


「大丈夫か?」



絶叫系、私苦手のようでした。
あの浮遊感がどうにも受け付けず、終えた後思い切りぶっ倒れてしまったのでした。


が――――ん。



ファンシーな雰囲気で、夢の国だし、たぶんそこまで怖い乗り物ではなかったんだろう。
私以外の出てきた人たちは皆きゃっきゃとはしゃいで楽しそうだった。


我ながら情けない。
せっかく、洋介さんと来れたのに。



「とりあえず、休もう」

「ごめんなさい・・・洋介さん」

「ん?なにが?」

「せっかくなのに・・・。パスだって、無駄になっちゃった」



そう。
出てきたころに時間がくると言っていたパスは私のせいで無効になってしまった。



「別に、乗り物に乗りたいわけじゃなくて、一華と楽しみたいんだからいいんだよ」

「か、かっこよすぎる!もっと責めてほしい・・・」

「お前、バカか」



ほんと、末期なのかも。



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