背伸びして、キス


「一華ちゃん、高校生なんだよね。えっと、17歳だったっけ?」

「あ、いえ。10月21日に一つ歳をとって18歳になりました!」

「へぇ、おめでとう。お祝い、」

「は!?お前、本当か?」




にこやかに槙原さんと話をしていたら、突然洋介さんが驚いたように声を上げた。
本当かって、なんのことだろう・・・。



「え?ちょっと待って、一条知らなかったの?」

「・・・ああ」

「え、あの・・・」

「お前、誕生日が来るとか来たとか一言も言わなかったよな」




その言葉に私は頷いた。
確かに、洋介さんにはその話してないけど・・・。



「なんで言わなかったんだよ」

「なんでって・・・。聞かれなかったし、言う必要もないかと・・・」

「い、一華ちゃん?一条、彼氏なんだよね?」

「はい・・・」



いまいちピンと来てないことが分かったのか、槙原さんは困ったように頭をかいた。



< 244 / 351 >

この作品をシェア

pagetop