背伸びして、キス


「一華ちゃんが笑ってることだよ」

「え・・・」

「こいつが、望むこと。俺さ。こんなに誰かに夢中になってる一条ほんと、ひっさびさに見たよ。いや、久々じゃないね、初めてかも」

「お、い」

「そうさせてるのは一華ちゃんだって自信持って。こいつ、ほんと一華ちゃんにぞっこんだから」




俺のお墨付き!って笑顔で言う槙原さん。
私は照れくさくてでも嬉しくて笑った。

私が笑う事で、洋介さんが嬉しく思ってくれるなら。
私は笑っていよう。



「洋介さん、おめでとうって言ってください」

「え・・・。あ、ああ。・・・おめでとう、一華」

「はい!誰からの言葉より、どんなものよりも嬉しいプレゼントです」




こんなに幸せでいいのかな。
時々不安になる。



それでも、今はこの幸せを存分に噛みしめたい。




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