背伸びして、キス
「二人なんだけど、」
「はい。お二人様ですね。おたばこは吸われますか?」
「あ、洋介って、たばこ吸ったよね?」
綺麗なロングヘアの女の人。
ナチュラルメイクで清楚感漂うその人は、後ろを振り返り確認する。
自然とその視線を追うように後ろの人を見て、私は固まった。
「・・・いや、最近やめたんだ」
「え、やめれたの?すごいじゃない。じゃあ、禁煙席で」
後ろにいた連れの人が、私の知っている人・・・それも、洋介さんだったから。
「店員さん?」
「あ、は、はい。すみません。こちらへどうぞ」
私は戸惑いながら今自分が店員という立場にいる事を思い出し、慌てて席に案内する。
ちらっと視線が合った洋介さんは少し困ったような顔をしていた。