背伸びして、キス

中学になっても、俺と広美は相変わらず仲は良くて。
俺は、やっぱり広美の特別なんだって気持ちは変わらなかった。


だから、自分の気持ちを伝えることもしなかった。



そんな事をしなくても、広美は俺の側にいるし。
俺は広美と一緒にいられるんだって。


バカみたいに信じてた。



それに、きっと俺は怖かったんだ。




告白して、もし、万が一フラれたりしたら。




万が一、と思ってた時点で、俺は自惚れていて、現実が見れてなかった。



｢ねぇ、洋介。高校どこに行くの？｣

｢高校？・・・○○高校かなぁ｣

｢じゃあ、私もそこにしようかな！」

｢安易すぎない？｣

｢いいの！ここまで洋介とずっと一緒だったんだもん。高校も一緒がいい｣




広美にとっては、きっとただの友だちとしての発言だった。
それでも俺には、やっぱり特別なのだと信じたかった。