背伸びして、キス
第7章
色あせた新年
ハッピーニューイヤー
テレビからはそんな浮かれた声が聞こえてくる。
何がそんなにおめでたいのか。
一人ぼっちの自分の部屋のテレビの前で迎えた新年は、ひどく暗く沈んだものだった。
「娘はどうでもいいってかー」
結局、年末すら帰ってこれなかった両親。
むしろ、帰るつもりすらなかったんじゃないかとすら思う。
ま、別にいいけど。
いつもの事だし。
新年を一人で迎えるのだって。
おばあちゃんはこんな日でも、寝るのは早い。