背伸びして、キス


「そうだ!洋介さん!あけおめだ!」

「あ・・・、そういえば・・・。あけましておめでとう、一華」

「おめでとう!今年もよろしくね」

「こちらこそ」



私の新年は、ようやくここから始まったみたいに明るい。
なんて単純なんだろうと思う。



「今年は、ようやく卒業だ!」

「ああ。そうだな」

「そうすれば、洋介さんと晴れてちゅーができる!」

「ぷっ、お前、そこ?」



声をあげて笑う洋介さん。
私だって、もう少しいちゃいちゃしたいんだぞ。

時東さんに、あんなこと言われたし・・・。




「でも、俺は、一華といろんなことしたいけど」

「えっ」

「楽しみだなぁ・・・」

「・・・っ」




カーッと顔が一気に熱くなる。
そんな私を洋介さんは笑ってみていて。


なによ、大人の余裕ってやつ!?
もう、子どもだと思ってバカにして!!!



私だって、私だって、やるときゃやるのよ!




・・・た、たぶん、ね。



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