背伸びして、キス


あっという間に家について。
近くに停めると、家の前まで送ってくれると洋介さんも車から降りた。



「いつ見ても、立派な家だな」

「家だけはね」

「そういう言い方するなって。ちゃんと、話すって決めたろ?」

「うん・・・」



わかってもらえる保証なんてないんだもん。
でも、洋介さんのおかげで、少しだけ前向きだ。


家の門の前につき、洋介さんと向かい合う。
あ―あ、あっという間だった。



「じゃあな、また連絡するから」

「うん。ありがとう」



名残惜しくてなかなか門をあけられずにいる。
そんな時、玄関がガチャッと音を立て開いた。



「こんな時間なのに、どこに行ったのかしら、あの子・・・」



玄関から声が聞こえ、その声に私は固まった。
どうして、ここにいるの?



「・・・あら、一華!?あなた、こんな時間までどこに行ってたの!?」

「な、なんで・・・?お母さん」



だって、帰ってくるなんて一言も言ってなかった。
なんで帰ってきてるの?




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