背伸びして、キス
「軽い気持ちで付き合ってるつもりはありません。一華さんが高校生であることも理解したうえで、誠意をもって付き合っていきたいと思ってます」
「洋介さんは、ちゃんと私の事考えてくれてる!キスですら、卒業してからってちゃんと私を大事にしてくれてるもん!」
「そういう事を言ってるんじゃないの!そんなことは、当たり前です!そういう関係になること自体非常識だと言ってるのよ」
頑なに否定するお母さんたちの態度。
私はギュッと拳を握りしめる。
「そういわれても、仕方ないと思ってます。認めてもらえないかもしれないと、覚悟もしていました。ですが、私が、一華さんを想う気持ちに嘘はありません」
「洋介さん・・・」
「一華さんも、私の事を想ってくれています。その想いを、大事にしたかった。言い訳でしかありませんが」
洋介さんは、感情的になることもなく、紳士的に想いを伝えていく。
その想いが温かくて胸がギュッとなった。
「お義母さんにまかせっきりにしとくんじゃなかったわ。こんなことになるなんて」
「お袋のせいにするのか」
「だってそうでしょう。今日だって、一華が帰ってきていないのに気にもしないでもう寝てるのよ?」
言い争いを始める両親。
私はおばあちゃんの事まで責められ、もう我慢が出来なかった。