背伸びして、キス
「一華、本当におめでとう」
「ありがとう、お母さん」
「本当に、いつの間にかこんなにも大きくなってたんだな。こうして晴れ姿を見られて嬉しいぞ。一華が話してくれなかったら、この姿も見ることができなかったかもしれない。ありがとう、そして、今まで本当にすまなかったな」
「お父さん・・・。ううん。戻ってきてくれてありがとう」
二人とこうして、向き合えてよかった。
この姿を、見せることができてよかった。
ずっと、見てほしかった。
こんなに大きくなったんだって。
私は、ここにいるよって。
「じゃあ、行こうか」
「うん」
「今日は、洋介くんは?」
「今日も仕事。でも、おめでとうって言ってくれたよ」
「そうか」