背伸びして、キス


いろんなことがあった。
泣いて笑って、背伸びして。


もっと大人になりたくて。
それでも、やっぱり子どものままで。


わがままも、泣き言も全部全部、洋介さんにぶつけてきた。



これから少しは大人になれるかな。




歳の差も、きっと身長だって、縮まることも、追い抜かすこともないけれど。
だからいつだって私は。





「大好き、洋介さん」




グイッと腕を引っ張って、つま先で地面を支え唇を重ねる。
その途端に、背中に回された腕にきつく抱きしめられ、甘いキスが始まった。




歳も身長も、離れた私たち。
だから私はいつだって。





あなたに、背伸びして、キスをする。







Fin
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