背伸びして、キス


「お前、そろそろ進路とか決めるんじゃねぇの?もう決まってんの?」

「管理栄養士の資格を取ろうと思って。短大に行くつもりです」

「管理栄養士か。料理とか、できんの?」

「それだけが、特技なので」



そっか。
一条さんも食に関する仕事なんだ。



「一条さんも、料理できるんですか?」

「・・・話を変えよう」

「え」

「そうだな。最近の高校生は何が流行ってるんだ」

「・・・できないんですか?食品会社で働いてるのに」

「それは関係ない。料理が出来なくても、食べることは好きだし、自社の製品に愛はあるぞ」





その言葉に思わず吹き出した。
なにそれ、すごい必至。



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