背伸びして、キス
こうして一条さんと並んで歩くのも。
同じものを見て回るのも。
全てが楽しく感じるのは、私が一条さんを好きだから。
「結構、いい時間になったな。飯行くか?」
「はい!」
そう気づいたら、余計に恥ずかしくなって。
照れくさくなってしまって。
それでも、隣を歩きたくて頑張る。
「――――あれ一華?」
不意に聞こえてきた声に、ビクッと反応する。
この声、って。
「あれ?足立さんじゃぁん」
「え?なに?なに?」
続けて聞き覚えのある声が聞こえてくる。