背伸びして、キス


「あ・・・、武くん。それに・・・本田さんたちも・・・」



振り向くと、武くんの姿。
その側には、私にプリントを見せてと頼んできた目立つ女子グループの子、本田江美と倉田由紀。
そして、武くんの友だちである佐野夕也、4人の姿が。


どうしてこんなところに・・・。
って、ここは学校も近い大きなショッピングモール。
学校の子たちがいてもおかしくないんだ。



「え、何してんの、一華」

「え、あ、私は・・・」



明るい調子で武くんに話しかけられる。
武くんは、明るくて誰ともすぐに仲良くなる。
だから、うちのクラスの子たちとも仲がいい。

だから、今も本田さんたちと一緒にいるんだろう。
でも、私は本田さんたちが苦手だ。




どうしよう。
なにか適当に話をしてこの場を離れなきゃ。
せっかく一条さんと一緒にいるのに。



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