背伸びして、キス
「い、いえ、あの・・・」
「別に、無理して飯行かなくていいし。お礼はまた別の形でやるし。ここで別れるか」
「え・・・」
一条さんはそう言うとスマホで時間を確認する。
「高校生は高校生同士の方が楽しいだろ。ここならあのコンビニも近いし帰れるよな?」
「あ、あの、」
「ん?じゃあ、今日は助かった。ありがとな」
一条さんはそう言うと、ポンッと私の頭に手を乗せて立ち去った。
私は何も言う事が出来ずに、それを見送る。
そんな・・・。
ご飯、楽しみにしてたのに。
「?一華も来いよ。これからカラオケ行くんだ」
「・・・行かない。ごめん。帰るね」
はっきりと、そう言えなかった私が悪い。