背伸びして、キス


「武くん、ごめんね。ちゃんと言ってなかったから・・・。あの人、コンビニで会った人で・・・、私の好きな人、なの・・・」




心臓が煩いくらいに高鳴る。
武くんに好きな人って告げるだけでこんなにも胸が煩く鳴るなんて。

どうしよう。
口に出すと、実感してしまう。



「は・・・?」



武くんは、呆然と口をあけ固まる。
どうしよう、恥ずかしい。



「ごめんね。すぐに説明しなかったから、涼子ちゃんとケンカみたいになって。私のせいで、ごめんね」




私はそう言うと居たたまれなくなって広げていたお弁当を慌てて片付けてその場を立ち去った。




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