百の魂に幾千の想いを
1.第90個目
1.涙を無くした少女
じりり…と安眠妨害をする目覚ましの音が鳴った。
「…う…るさいっ!」
私は頑張って目覚ましに手を伸ばし、音を止めた。目覚ましが鳴ったということは今の時間は8時10分。
「ふぁあ…」
ガバッとベッドから降りてカーテンを開けると、部屋に日ノ光が降り注いできた。
「よしっ、今日も良い天気」
カーテンはそのままに部屋を出て、階段を下りる。迷わずに和室へと足を向ける。
私には朝、起きたら必ずする事がある。
真新しい和室には仏壇がある。本当は我が家は誰も死んでおらず、位牌などないはずだった。けれど、今はそこにある。
「孝雄」
今はそこに有る位牌の写真に写る孝雄は変わらず笑ってた。
「おはよう」
孝雄に手を合わせて祈ること。
いや、正しくは話しかけるというほうが正しいのかもしれない。
「今日はね、バドミントンをする予定なんだ。だから、晴れてよかったよ」
そうやってしばらく話しかけて、線香に火を灯し、手を合わせた。
孝雄は、私の幼馴染み。
約1年前の春、孝雄は突然亡くなった。
もうすぐ初めての命日が来る。
「…う…るさいっ!」
私は頑張って目覚ましに手を伸ばし、音を止めた。目覚ましが鳴ったということは今の時間は8時10分。
「ふぁあ…」
ガバッとベッドから降りてカーテンを開けると、部屋に日ノ光が降り注いできた。
「よしっ、今日も良い天気」
カーテンはそのままに部屋を出て、階段を下りる。迷わずに和室へと足を向ける。
私には朝、起きたら必ずする事がある。
真新しい和室には仏壇がある。本当は我が家は誰も死んでおらず、位牌などないはずだった。けれど、今はそこにある。
「孝雄」
今はそこに有る位牌の写真に写る孝雄は変わらず笑ってた。
「おはよう」
孝雄に手を合わせて祈ること。
いや、正しくは話しかけるというほうが正しいのかもしれない。
「今日はね、バドミントンをする予定なんだ。だから、晴れてよかったよ」
そうやってしばらく話しかけて、線香に火を灯し、手を合わせた。
孝雄は、私の幼馴染み。
約1年前の春、孝雄は突然亡くなった。
もうすぐ初めての命日が来る。