百の魂に幾千の想いを
「聞きたいことがあるの」
しばらく泣いて気分が落ち着くと私は孝雄から離れ聞きたかったことを伝えるべく、口を開いた。
「あの日、何処に行きたかったの?何を言いたかったの?」
「ああ、それ?臨海公園に行きたかった。あそこは桜が綺麗だから」
私が住んでいる県にある臨海公園は確か国立指定公園になっていた。
「好きだ」
「…え。…………はい!?」
「俺は小さい頃から、志乃が好きだ。それをあの日、桜咲く中で言いたかった」
『告白されるなら、どんなシチュがいいと思う?』
『告白かあ…何、もしかして誰かにするの?』
『さ、参考にするだけだ』
『へえ、孝雄もそんな御年頃になったんだー♪』
『いいから、教えろよ!』
『ん―定番に胸いっぱいに薔薇を抱えてとか』
『…それ寒い』
『そう?なら、桜かな』
『桜?』
『うん、桜が満開の中で言われてみたいかも』
昔、そんなやりとりをした。
それを覚えていたのか。
再び涙腺が緩む。どうやらしばらく泣かなかったから、緩みやすくなっているらしい。
「でも結局、桜はないけどな」
しばらく泣いて気分が落ち着くと私は孝雄から離れ聞きたかったことを伝えるべく、口を開いた。
「あの日、何処に行きたかったの?何を言いたかったの?」
「ああ、それ?臨海公園に行きたかった。あそこは桜が綺麗だから」
私が住んでいる県にある臨海公園は確か国立指定公園になっていた。
「好きだ」
「…え。…………はい!?」
「俺は小さい頃から、志乃が好きだ。それをあの日、桜咲く中で言いたかった」
『告白されるなら、どんなシチュがいいと思う?』
『告白かあ…何、もしかして誰かにするの?』
『さ、参考にするだけだ』
『へえ、孝雄もそんな御年頃になったんだー♪』
『いいから、教えろよ!』
『ん―定番に胸いっぱいに薔薇を抱えてとか』
『…それ寒い』
『そう?なら、桜かな』
『桜?』
『うん、桜が満開の中で言われてみたいかも』
昔、そんなやりとりをした。
それを覚えていたのか。
再び涙腺が緩む。どうやらしばらく泣かなかったから、緩みやすくなっているらしい。
「でも結局、桜はないけどな」