生徒会長と私の秘密 ~愛を誓う
部屋に居ると翼がノックをして「良いか?」と入って来た。

翼はいつも私の部屋へ入るときはドアを開けたままにする。

それは私への思いやりだと思う。

翼は二人だけで部屋に居ると抑えられなくなるかもしれないから自分自身を制御する為だと言う。

いつも翼はキスをしてくれる時はいつも途中で誰かが止めに入る事を想定しているようだ。

エレベーターでもカメラが有るから深いキスはしない。

本当に大事にしてくれているのだも思う。

そして美智さんや芳人さんに心配かけないようにする為。

こんな翼だから美智さんも芳人さんも翼を信頼している。

だから私を引き受けてくれたのだろう。

「恭にぃは美姫さんの事なんて言っていた?」

「愛しているけど、自分には彼女を守る事も助ける事も出来ない甲斐性なしだって…」

「そうか…」

「翼は恭之助さんの為に動いたんでしょ?」

「恭にぃは頑固だからな?じぃ様に恩があるからってさ!」

「恭之助さん真面目な人だね?」

「ああ、いつもは巫山戯て見せてるけど凄く真面目な人だよ。レストランも女を落とす為なんて言ってるけど違う。俺が頼んだ仕事や情報収集でお世話になった人と食事をしてるだけ。美姫さんを裏切るような事は一度もして無い」

「うん。今日の恭之助さんを見てたら分かる。私が政略結婚や立場の違いと言う言葉に反応した時も、翼は必ず守ってくれる、翼なら信じても大丈夫って言ってくれた。凄く嬉しかった」

「なに?俺の言う事より恭にぃの言葉の方が嬉しいのかよ?」

え?

翼はフッと笑って

「俺は何があっても全力で亜美を守るよ」
と言ってくれる。

「ありがとう」

「だから信じろよ?」

翼は恭之助さんと同じ様に頭をポンポンとしてくれる。
でも、嬉しいのは、恭之助さんより翼にしてもらうほうがずっと嬉しい。

「うん」




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