生徒会長と私の秘密 ~愛を誓う
食事をすませても翼からはなんの連絡もない。
「少しバーで飲まない?」
「あ、ああ…」
どうなってるんだ!?
ん?まて…
なんで芳人さんじゃ無くて、翼が来る?
翼は会社に関わっているが表舞台にはまだ出て来ない筈。
いくら相手が美姫で互いを知っているとはいえそれでも彼奴は表には出て来ない。
まさか…
俺の為に翼が動いたのか!?
「ちょっと電話を掛けて来て良いか?」
「良いけど、翼君なら来ないわよ?あなたにこの商談の返事をする様に言われてるの」
「なぜ俺に?」
「あなたと私がプライドや立場なんて馬鹿な物を捨てる事が出来るか話し合えって!小生意気な所は変わらないわね?あの子」
やっぱり翼か…
それで芳人さんまで動いてくれたのか?
「ああ、彼奴はずっとあのままだろうな?」
「で?どうする?」
「どうするって、もう決まってるだろ?そういう話で美姫がここに来たと言うことは、見合いは断ったんだろ?だったら美姫を幸せにするのは俺しかいないだろ?好きな女を守れない様なプライドは必要ないって小生意気な彼奴にも言われたからな!?」
「じゃ商談は成立ね?私、ここに部屋を取ってるのお祝いに部屋で飲み直さない?」
「ああ」
俺達は部屋に入るなりどちらからともなく互いを求める様にキスをした。
ずっと会いたかった…
ずっと触れたかった…
ずっとキスをしたかった…
もう美姫をこの腕に抱けないと思っていた。
俺は美姫から唇を離すと
「美姫、愛してる。何も持っていない俺だけど結婚してくれるか?」
「ええ。私も愛してる。恭之助しか私にはいないの…」
「じゃ、ベットへ行く前に小生意気な彼奴に礼を言わないとな?」
俺は部屋のソファーに座り傍らには美姫をおき翼へ電話をした。
「よっ!?小生意気なクソガキ!やってくれたな!」
『なに?その感じだと商談は上手く行ったみたいだね?』
「フン! 何が商談だ!俺の事は放っとけと言っただろ!?」
『別に恭にぃの為に動いて無いよ!俺は会社の利益が上がる事にしか動かないからね?』
俺に恩は売らない。翼らしいよ!