生徒会長と私の秘密 ~愛を誓う
坂井グループからのケータリングの車着いた。
「あれ?恭之助さんどうしたんですか?」
ケータリング会社の人達に付いて恭之助さんもトラックから降りて来た。ケータリング会社のユニホームを着て。
「今日は俺もお手伝いなんだ」
「えっ?!」
私の足も良くなったから送り迎えも無くなり、最近、恭之助さんの姿は見ていなかった。
「今、翼の送迎が無い時は芳人さんがいろんな部署で勉強させてくれてるだ。いつまでも翼の子守は嫌だろってね?」
子守りって…
翼が聞いたらまた拗ねるよ?
「あはは… 子守の話は聞かなかった事にします」
恭之助さんと話をしていたら後ろから声が掛かった。
「立花さん!」
振り向くとサンタの衣装に口髭まで付けた男子2人だった。男子と言っても殆ど髭で顔も分からないのだが…
「はい?」
「坂井君が運びたい物があるから手伝いに来てくれって!」
「え?こっちの運び込みが有るのに?…」
「翼の奴、俺が来ること知ってるから、大丈夫だって分かってるんじゃない?麻美ちゃんに場所は案内してもらうから大丈夫だよ?ねっ麻美ちゃん!」
「うん、私が案内するから亜美は坂井君の所へ行って良いよ」
じゃお願い。と、恭之助さんと麻美に頼んで私は体育館へ向かおうとした。
するとサンタ達が体育館ではなく北校舎裏の倉庫だと言う。
倉庫から何を運ぶのかな?
必要な物は皆んな揃ってる筈なのに?
倉庫の扉を開け中へ入る。
「翼、何運ぶの? ん? 翼? 翼…」
暗い倉庫の中は誰も居ない。
『俺達、立花さんには恨みは無いんだけど…』
『恨むなら早川さんを恨んで…』
私を案内して来たサンタは冷たく言って扉を閉めた。
そして鍵を掛けられてしまった。
「イヤ!お願い開けて!出してよ!!誰か!?ねぇ誰か!?」
あれから何度も叫んだ。
でも、ここはグランドからも体育館からも離れているから誰も気付いてくれない。
早川さんを恨んでって私を閉じ込める様に指示したのは早川さんって事だよね?
早川さんはそんなに私を恨んでいたの?
ああ、寒いよ…
じっとしてると寒い。
でも、真っ暗で動くと危険だよね?さっき転んだし…
大声を出しても聞こえないし、私どうなるの?
このまま助けが来なかったら凍死しちゃう?
翼… 私が居ない事、気付いてくれる?
もう終業式も始まっちゃうよね…
ケーキは?サンドウィッチは?恭之助さん全て運んでくれた?