生徒会長と私の秘密 ~愛を誓う

1週間してやっと翼は目を覚ましたと聞いて、私は病院に駆けつけたが、まだ会う事は出来なかった。

そして翼が目を覚ましてから1週間が過ぎた頃、翼は一般病棟の個室に移ったと芳人さんが教えてくれた。

だが、翼は芳人さんの事も美智さんの事も覚えていないと言う。

医師によると脳には異常ないので事故による一時的な記憶障害でそんなに心配ないという事らしい。

事故の事は覚えていないかも知れないが、普段の事は時間が経てば少しづつ記憶は戻って来るらしい。

ひょっとして私を見たら思い出してくれるかも…

そんな淡い期待をして翼に会いに行ったが…

翼は頭に巻かれた包帯と両足は骨折の為釣り上げられ寝ていて痛々しい姿だった。

「翼?」

私が声を掛けても目は開けていても何も反応は無かった。

側に居た美智さんはただ首を横に振った。

美智さんはずっと翼に付き添っていて憔悴しきっている様子だった。

「美智さん、私、翼に付いてますから、少し休んで下さい。」

美智さんは少し戸惑いを見せたが、じゃ、少し売店に行ってくるわお願いね?と言って病室を出て行った。

「翼、これ去年のクリスマスに翼が私にプレゼントしてくれたんだよ!」

私はネックレスからリングを外し左手薬指に嵌める。

「翼、私の事を大切な人だって言ってくれての… 今は学生だから直には結婚出来ないけど、これはその時までの約束の印だって!その日が来たら大きな石の付いたリングをプレゼントするって言ってくれたの… 高校生なのに約束の印って指輪くれるなんて、ホント生意気高校性だよ! ウフフ」

翼… 見て? 思い出さない?… あなたがくれたのよ!

「でも、私、断ったんだよ?大きな石の付いた物なんて要らないって… だってね?翼の事だから手が上がらないほど大きな石の付いた物をプレゼントしそうなんだもん! ウフフ」

翼? あなたは今何を考えてるの? 

記憶が無いとはどういう状態なの?

暗い闇の中に居るの?

早くその闇から抜けださせてあげたい…





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