生徒会長と私の秘密 ~愛を誓う

それから毎日病室に顔を出し翼に話しかけた。

そしてクリスマスの日、嬉しい連絡が届いた。

まるで子供の頃サンタクロースからのプレゼントを見つけた時の様に嬉しくて飛び上がった。

翼の記憶が戻ったと恭之助さんからメールが届いたのだ。

私は急いで病院に向かった。

病室の前に行くと中からは翼の笑い声が聞こえた。

良かった!

病室のドアをノックをして、中からの返事を待たずに私は活き良いよくドアを開ける。

「翼、メリークリスマス❣」

「…おはようございます」

翼は無表情で私に挨拶をした。

え?

「翼?亜美ちゃんよ!」美智さんが言う。

「おいおい、冗談は辞めてやれよ?亜美ちゃんずっと心配していたんだからな!?それとも久しぶりで照れてるのか?」

恭之助さんが翼をからかって言う。

でも、翼の表情は変わらない。

「ねぇ翼?私よ!」

「すいません… あなたの事はまだ思い出せなくて…」

そんな… 私の事だけ思い出せないの…

「母さん、少し疲れたからベットを下げてくれる?」

「ええ…そうね?まだ無理しない方がいいわね?」

美智さんは起こしていたベットを下げ枕を翼の頭に添える。

翼は窓の方を向いて私から顔を背けた。

まるで私の顔を見たくない様に…

「亜美ちゃん、ごめんなさいね?まだ全部思い出すまで、もう少し時間がかかる見たい…」

「そうですよね?あんな酷い事故だったんだから…でも、良かった少しでも思いだしてくれて、また、来ます!あっこれ翼へクリスマスプレゼント、後で渡して下さい。」

私は美智さんに小箱を渡して、涙が溢れる前に急いで病室を後にした。

病室を出た途端涙が溢れて来た。

拭っても拭っても…

溢れてくる涙。

美智さん達の事を思い出したんだもん、私の事だっていつか思い出してくれるよ!

ね?そうでしょ?翼…





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