生徒会長と私の秘密 ~愛を誓う

翼の馬鹿!!

どうして側に居てくれって言ってくれないのよ!?

ひとりで悩んで… 

辛かったでしょ?…

もう歩けないって知って辛かったよね?…

私に辛く当たった事、苦しかったよね?

ごめんね… 

私、何も知らなくてただ泣いて暮らしてた…

翼はもっと苦しんで、悲しんで、涙を流していたのにね…

「美姫さんお願い急いで!!」

「分かってる!必ず間に合わせる!」

美姫さんは凄いハンドルさばきで次々と車を追い抜き、もう少しで空港と言うところまで走って来たが、運悪く白バイに見つかってしまった。

白バイはサイレンを鳴らし追いかけてくる。

「チッ!」美姫さんは舌打ちした。

「美姫さん…」

「美姫どうする?」

「ここまで来たら行くっきゃないでしょ!?」

美姫さんは止まることなく思いっきりアクセルを踏んだ。

白バイ警官は路肩への停車を呼びかけるが美姫さんはスピードを弱める事もせず走り続ける。

勿論、この後こっ酷く怒られるのを覚悟しての事。

おまわりさん、ごめんなさい!

そして空港に着くと白バイが美姫さんの車の前に立ちはだかるように止まった。

美姫さんは後の事は良いから早く行きなさい!と言ってくれた。

「美姫さんありがとう!」

車から降りた私達の後方ではおまわりさんの「何を考えているんだ!?」と怒鳴り声が聞こえた。

そして美姫さんは「仕方ないでしょ!?若い二人の一生がかかっているんだから!!」とお白バイ警官に正論かの様に怒鳴っていた。

恭之助さんに手を惹かれ私はターミナルへ走って入って行く。

美姫さん大丈夫かな?…

それより今は翼。

何処? 翼はどこ?





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