生徒会長と私の秘密 ~愛を誓う

「え?」

「翼なら必ず治して来るでしょ?ちょー頭が良くて何でも出来る生意気な翼だもん必ず治して帰って来て!」

足を治すのはお医者さんだと分かってる。

でも翼なら大丈夫!

数パーセントと難しくても、奇跡を起こしてくれる。

「でも、もし治らなくても… 車いすのままでも必ず私の元に帰って来て!その時は私が翼をお姫様抱っこしてバージンロード歩いてあげる。これでも私力持ちなんだから!」

私は思わず翼にプロポーズをしてしまった。

そして翼は思いもよらない言葉に驚いているようだった。

「女にプロポーズさせてやんの!情けねー!イイ男はな、女にプロポーズさせる前に自分からプロポーズするんだぞ!?」

私の後から恭之助さんが笑って言う。

「うるせー!ヘタレの恭にぃには言われたくないね!」

「俺はちゃんと美姫にプロポーズしたもんねー!なぁ?美姫!」

「凄く待たされたけどね!?」

いつの間にか駆けつけて居た美姫さんは冷ややかに返事をする。

そんな美姫さんに恭之助さんはごめんと苦笑いしていた。

「亜美待ってろよ!必ず足を治してイイ男になって帰って来るから!」

「うん。私がオバサンになる前に帰って来てね?」

芳人さんに時間だと言われ、翼はいってくる!と言って美智さんに車いすを押され搭乗口へと入って行った。

青い空に飛んで行く飛行機を小さくなる迄見送って居る私の胸元には翼から貰ったリングがぶら下がっている。

翼もまた私がクリスマスプレゼントに送った同じ物を首に掛けてくれている。

いつかふたりで左手薬指に嵌める日が来ることを願って…





< 168 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop