生徒会長と私の秘密 ~愛を誓う
翼がアメリカへ行って7年、私のネックレスには今も翼に貰ったリングが付いている。
私は大学を卒業しホテルのブライダルプランナーとして働いている。
最近は先輩から離れひとりでお客様のプランニングをさせて貰える様になって毎日やりがいを感じている。
「美姫さん、花嫁さんのお衣装の変更がまた入りそうなんですけど…」
「また?… あのね?亜美ちゃんもいい加減断る事も覚えてくれないと!」
美姫さんは腕を組み眉間にシワを寄せ厳しい顔をする。
今、私は披露宴のプランニングだけでは無くブライダル衣装の相談にも乗っている。
一生に一度だから後悔の無いように素敵な思い出の残る結婚式に出来るように頑張らせて貰っている。
「すいません… でも、一生に一度だから… もう一度だけお願いします!」と美姫さんに頭を下げる。
「仕方ないな…もう日にちが無いから、これが最後よ!」
「ありがとうございます!直ぐ花嫁さんに連絡とります!」
美姫さんのデザインするドレスはとても素敵でフルオーダーとセミオーダーを選ぶ事が出来る為幅広いお客様に支持を頂いている。
美姫さんと恭之助さんは6年前にローマでふたりっきりで結婚式を挙げた。
これは美姫さんの要望だったらしい。
その時の写真を見せてもらったがスペイン階段やトリニタ・デイ・モンティ教会の前で自分でデザインしたウェディングドレスを着た美姫さんはモデルさんの様でとても素敵だった。
恭之助さんの白いタキシードも美姫さんのデザインしたものでイケメンの恭之助さんもとても素敵でふたりの写真はうちのブライダル館のパンフレットにも使用されている。
美姫さんは恥ずかしいからパンフレットの写真をプロのモデルさんに変えたいと前から言っているが親会社の社長である芳人さんがわざわざモデルを頼まなくてもふたりの写真で良いと言うらしい。
だってこんなに素敵なんだもん、他のモデルさんに変える必要はないと私も思う。
まぁふたりを超える素敵なモデルはそう居ないだろうし、なにより本物のカップルなんだから!
だから新しいパンフレットに変えても写真は今もふたりの写真を使っている。