生徒会長と私の秘密 ~愛を誓う

通常、朝礼は各部署毎で各部署の支配人によって行われるが、今朝は食堂で臨時ミーティングならぬ全体朝礼が行われた。

そして総支配人である恭之助さんによって当ホテルの新社長がお見えになると伝えられスタッフのみんながざわついていた。

別に社長だろうと会長だろうと私には関係無い。

お客様に喜んで頂けるようにいつもの様に仕事をするだけ。

「あれ?亜美ちゃんひとり?」

恭之助さんは手があくとわざわざブライダル館の事務所にコーヒーを飲みに来る。

総支配人の仕事が忙しく美姫さんとの時間がなかなか取れない為こうして少しの時間でも美姫さんに会いに来るのだ。

「美姫さんはお客様と打ち合わせ中です。あっ総支配人、私もコーヒー飲みたいです!」

「俺にコーヒーを入れさせるのは美姫と亜美ちゃんだけだよ?」

恭之助さんはそう言いながら私にもコーヒーを置いてくれる。

「ところで翼から連絡あった?」

「無いですよ?一度も!」

翼がアメリカに行ってから一度も連絡は無い。

恭之助さんにはたまに電話は有るらしいが私には一度も無い。

翼は私の声を聞くと会いたくなるからと言って恭之助さんに元気にしてると伝言を頼んでいる。

だから恭之助さんから「元気だって!」と聞くだけ。

「声を聞くと会いたくなるならたまには帰ってくりゃいいのに?あっでも帰って来たら彼奴亜美ちゃんを連れて帰るよな?そうなると困るな!?今や亜美ちゃんはうちの人気プランナーだからね!しかし、亜美ちゃんも連絡も無い相手を何年もよく待っていられるね?」

「ホントですよ!自分でも感心します。そろそろ他の相手見つけた方が良いですかね?」

「じゃ俺なんてどう?」

「オジサンには興味無いです!」

私は書類に目を落としながら冷たく言う。

恭之助さんは冷たいなと笑い、待つのはもう終わりかな?と、言って事務所を出て行った。





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