生徒会長と私の秘密 ~愛を誓う
翌日から私達は本当に忙しかった。
翼の大お祖父様に挨拶を済ませ、私達の両親は分かっているとはいえ翼は私の両親にちゃんと挨拶がしたいと言うから自宅へ行くと芳人さんと美智さんも来て居て、彼氏が彼女の父親に「娘さんを下さい」と言うような厳粛な雰囲気では無く、びっくりパーティー状態になっていた。
父親ふたりは何度も乾杯をし、母親達は結婚式の話に盛り上がり、終いには美姫さんを呼びつけウェディングドレス相談を始める始末。
「ちょっとみんな落ち着いて!私達は結婚式はしません!」と私が言うとみんな驚き一瞬時間が止まった様だった。
「えっ!?嘘!?翼、振られたの?」と言う恭之助さんに
「アホ!俺が振られるか!?」と翼が言う。
「あのね?ふたりで決めたの!籍だけ入れようって!」
「俺はホテルの社長に就任したばかりで、仕事も忙しいくなるし、亜美の仕事も今は忙しくて結婚式の準備に時間をかけている暇がないんだ…」
母達はとても残念がっていたが父達は仕方無いかなと納得してくれた。
しかし美姫さんだけは違った。
「写真だけでも取りなさい!ドレスは私が今までに無い亜美ちゃんにあった物を作って上げる。勿論亜美ちゃんの意見も聞いてあげるわ!亜美ちゃんの仕事の合間を見て」
でも…と言ったが、翼が俺も亜美のドレス姿は見たいと言ったので、写真だけ撮る事になった。
勿論美姫さんによるフルオーダーでドレスを作ってもらって…
それからは人気デザイナーの美姫さんは忙しい中、何度も私の意見を聞いてくれてドレスの打ち合わせし、採寸、仮縫いと進めてくれた。
思っていたよりも凄く早く美姫さんはドレスを仕上げてくれた。
美姫さんのフルオーダーはとても人気で半年ほど掛かるが、今回3ヶ月で仕上げてくれた。
「美姫さん、随分無理をしたでしょ?」
「だって自分の為だもん!」
え?美姫さんの為?…
美姫さんの言った意味が分からないまま私達は写真だけでは無く結局ホテルのチャペルで式を挙げた。
そして1ヶ月後、恭之助さんがブライダル館の新しいパンフレットが出来たと持って来てくれた。
パンフレットには美智さん達では無く私と翼の写真が載せられていた。
「えっー!?」
美姫さんを見ると笑顔でピースをしている。
美姫さんが急いだ訳は新しく作るパンフレットの為だったのだ。
多分、これには翼も加担していた事だろう。
やられた…
=完=