わたくし、愛しの王太子様に嫁ぎますっ!
エピローグ
そして、時は経ち、二年後──。
晴れ渡る青空の下、花嫁衣装を身に纏ったリリアンヌはレイと一緒に屋根のない白い馬車に乗っていた。
馬車は白い花で飾られ、馬も花飾りをつけている。
ラッパが鳴らされ、正装を身に纏った騎士たちを先頭にパレードが行われる。
祝いの花吹雪が舞う中を馬車はゆっくりと進んだ。
夕日の光を編み込んだようなきらめく茜色の髪は白い衣装によく映え、なんとも美しい。
それを見つめる王太子は凛々しくも優しく、皆は国の安泰と繁栄を確信するのだった。
「王太子さま、お妃さま、おめでとうございます!」
「ご結婚おめでとうございます!」
王都中の教会で祝いの鐘が鳴らされる。
人々が喜びに満ち溢れ、国中が幸福な気持ちになった。
小さな国ミント王国のじゃじゃ馬王女は、とっても幸せな花嫁になったのでした。
【完】