2008.4.X
「…じゃあ、うちのクラスの学年委員はユラさんで決まり。ハイ、皆拍手」

 周りからは盛大な拍手。35分の1の確率でジャンケンで負けに負け、あたしが学年委員になってしまった。

「ユラさん、今日の放課後さっそく委員会議があるから3年3組の教室に集まるように」

「はーい…」

 まさか、まさか自分が負けて学年委員になるとは…。

「ミカー、負けた…終わった今年の1年間」

 後ろの席のミカにすがりつく。

 学年委員といえば何かと呼ばれ、行事の度に実行委員だし…まだ入学したばかりでわからないけど、あたしが中学生だった時の学年委員はとにかく面倒くさそうだった。

「ユラ、大丈夫。学年委員は半年で終わるから、頑張れ」

 ニコニコと励ましてくる。あ、半年で終わるんだ…って、半年でも嫌だ…。

「てか、ユラが学年委員とかクラス終わったよね」

 ミカの後ろの席のサユリもニコニコしてくる。

「そう思うならサユリが代わりに学年委員やってよ」

「え、うちがやったらユラより大変なことになるよ」

 サユリは中学からの友達。いつも元気でニコニコしてて男女から人気。

「まぁ、3年3組でしょ?楽しんでくればいいじゃん」

「どういうこと?」

 サユリに聞き返すとさぁね、と流されてしまった。
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