かわいいヤンデレ、クールなやんでれ。
爽ちゃんとは、クラスも一緒。
でも、お互いに友達はいて、一緒にいると言えば登下校とお昼くらい。

「はな、おは!」
「おはよん」

こちらも、朝からハイテンション人種かな。
珠李はいつも話しかけてくれて、爽ちゃんとも仲がよかった。

「今日さ、会長と信号で一緒になったでしょ」
珠李が、ニヤニヤしながら言ってくる。
「会長?」
聞き返すと、珠李は大袈裟に目を見開いた。 
「うそ、会長の顔覚えてないの? 何回もみんなの前で演説してるじゃん」
「いやー、いつも寝てるからさあ」
ほんと、あんな集会いらない。
眠いだけだよ、校長の近況報告なんて。いらないいらない。

「会長は、今日はなが信号で一緒になった人!」
「あー、あの大人っぽい人のこと?」
言いながら、朝の光景を思い出す。
あんなに眠くても、ジョガリコを食べていても、なぜかはっきりと覚えていた。

「そうそうそうそう!! めっちゃかっこよくない!?」
「確かにねー、かっこよかった」

「はなちゃん!!」
突然、会話に乗り込んでくる爽ちゃん。
「なにー、いきなり大声出して」
すると、爽ちゃんはかわいい顔をぎゅっとしかめて、私の顔に触れるギリギリまで近づいてきた。

「日直!! 忘れてんでしょ!!」
< 4 / 5 >

この作品をシェア

pagetop