mariage~酒と肴、それから恋~《4》
幼馴染みとはいえ、33年間ずーっと一緒って訳ではなく。


わたしは、つい半年前まで、一人暮らししてた。


18歳で大学進学とともに都会に出て、そのままそっちで就職したけど、三十路超えて、“挫折”があって、無職になって…。

半年前、実家に出戻ってきた。


…“挫折”ってのは、結婚するつもりでいた男に捨てられてしまったこと。

仕事関係で付き合ってた人だったから、仕事も続ける気力がなくなった。


――とにかく、なんとか地元で再就職して今に至るんだけど。


実家に戻ってから、仕事以外はふさぎこんで家に籠っているわたしを心配したうちの母が、聡にわたしの相手を頼んだって訳。

外にでも連れ出してやってくれない?って。


でもわたしも聡もインドア。


聡は料理できるし、わたしはお酒探すの好きだし。


食べることが好き。

飲むことが好き。

お互い土日が休みだし。


自然とダラダラ家飲みするっていう過ごし方になった。
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