mariage~酒と肴、それから恋~《4》
一方の聡は、ずっと実家住まい。

地元のそこそこ良い大学出て、そのまま地元でそこそこ大手企業に就職した。


聡の家は、母一人子一人。

聡のお母さんは看護師としてバリバリ働いてるから、聡には家を出たら良いのにっていつも言ってるけど。

聡が家を出ないのは、きっとお母さんを一人にしないため。

聡は、そういう優しい奴。


家族の反対を押しきって家を出ておいて、出戻ってきた勝手なわたしとは違うんだな。


聡は、見た目だって悪くないし堅いとこ勤めてるし、条件良いはずなのにいまだ独身。何でかな~?

まぁ、わたしの相手してくれなくなると、困るんだけどね~。


そうこうしてる間に、聡がお皿を二つ持ってきた。

「かつめしにしてみた」


両手を伸ばしてお皿を受け取る。

カツカレー的な見た目。

「かつめし?どこのB級グルメだっけ?」


「兵庫県加古川市」


「お!今週は兵庫にきたか!」

ささっとスマホで検索。
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