大人のような子供の二人
 もともと、太刀打ち出来る様なコンビじゃなかったのよ。

 普通大学出の宇津木君は型に捕われない発想をしてくるし、今野くんは今野くんで精緻で繊細な画を写し撮る。

 羨ましくて、悔しくて、でも、そんなの見せたくなくて……。

 そんな二人が何故か離れて……。

 ちょっと残念に思った事もあったな。

 でも、結果として宇津木君は神崎ちゃんの感覚を選んだのよね。

 荒木さんが『席変えをしよう』とニッコリ笑った時は驚いたけれど、それにすかさず乗っかった宇津木君にもビックリしたと言うか。

 確か『なら、神崎を隣にして下さい』と自己申告したのよね。

 だから最初は驚いた。神崎ちゃんて仕事を適当にしているような気がしたし、大丈夫なのかと思ったのも確かなのよ。

 それにしても、宇津木君て実は根気あるわよね~。

 私にはマネ出来ないって言うか、したくないって言うか──…


「……何してるんですか」


 そんな声に固まった。
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