大人のような子供の二人
3
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「だいたいそのプライドの意味はなんですか?」

 その言葉に今度は私がポカンとした。

 そりゃ、プライドだろうけど……。

 今野くんはゆっくりサングラスを外し……そこにあった真剣な眼に、何も言えなくなる。

「……聞いてます?」

「……うん」

 聞いているけど……。

「貴女はいつもムチャなんです」

「………っ」

 前にも聞いたけど……!

「納期が間近でも引き受けるから、飛び込みの仕事も多い上に、楽観的」

「……知ってるよ」

「猫を被る癖に、気心知れた相手は平気で殴る、ある意味は繊細だけど……大雑把」

「何度も言わなくても聞いたから」

 単に前より柔らかく言ってるだけじゃないの。

 そんなに繰り返さなくても、聞いていたからね!

 むっとして立ち上がろうとすると、腕を掴まれてドサッとソファーに戻された。

「今野く……っ」

 ソファーのひじ掛けに両手をついて、今野くんの顔が間近にある。

 息がかかりそうなくらいの距離。

 一度伏せられた視線が、真っ直ぐに戻って来て、

「……そんな貴女に付き合えるのは、俺だけだと思いませんか?」

 ……その呟きに目を丸くした。
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