大人のような子供の二人
「同棲でもするつもり?」

 早いんじゃない? あなた達、付き合い始めたばかりじゃないの?

「や。違いますよ! 宇津木さんが来て、ウチのベットが壊れたから……っ!」

 神崎ちゃんのフォロー……なんだろう。

 その答えに、宇津木君はとうとう神崎ちゃんの襟首を掴んで、カウンターの隅に置きに行った。


 ……ベット壊れたんだ。それはそれで気になるけれど。


「違うぞ。単に座ったら足が折れたんだ」

 宇津木君の真面目な表情の弁明に苦笑を返す。

「熱いんじゃなくて、激しいのかと思った」

 宇津木君の視線が彷徨い──……

「今、聞いてたのは今野の話だ」

 イキナリ話題を変えて来た。

「加納は人の話をたまに聞かないから」

「そんな事はないよ。ちゃんと聞いてるじゃない」

「お前……今野のこと、年下扱いしかしないだろう?」

「だって年下じゃない」

「…………」

 宇津木君は頭を抱えて、ちらっと神崎ちゃんを見た。

 お店のマスターと、ニッコリお話しをしている神崎ちゃん。初対面の人でも、すぐに普通に話せるのは彼女の特技かも知れない。
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