あの頃ラッキーストライクと彼
俺は川野ほどのヤンキーでは無かったが川野とつるんでいるという事と怒らせたら大変だというので一目置かれていた。
一度違うクラスの馬鹿が俺が態度が悪いというのでトイレで小便をしていて後ろからナイフで脅して来た事があった。
俺は小便が終わるまで待てよと言いながら前を向いてそいつに小便をかけながらナイフを奪った。
そのまま大便器の方に襟首を掴むと連れて行き顔を便器に突っ込むと何度も水を流した。
ナイフを奪った時に手を切ったらしくて血まみれになりその上小便の途中だった為に前はすっかり濡れてしまっていた。
偶然来たクラスの奴が俺を止めたが俺はやめなかった。
後であいつは恐ろしいとなったが、俺は小便で大変だったよと笑いに変えた。
川野の武勇伝は俺より更に多過ぎて今ではすっかり忘れている。
しかし、俺達は高校一年の終わり位からキャンプに行く事にはまり安い道具を揃えて遠くは四国から近くは一泊で帰れる海岸まで自転車で行った。
俺達の高校は原付きを禁止していた。
大きな事故を先輩がやったらしく原付きを堂々とは乗れなかったから自転車で我慢したのだ。
川野とはこうしてテントの中で話したり焚き火をしながら色々話した。
話せば話すほど頭の回転が良いのに驚いた。
川野も俺となら胸の内をさらけ出せるようだった。
お互いに本音で話したし学校内の俺達の問題を二人で相談したりした。
将来の話しも沢山したが川野はヤクザの道を行くと決めていたが、その先に明るい未来が開けていると言い聞かせてるように俺には見えた。
そういう俺も何になれるか分からないがとりあえず就職して何かしら創作をする仕事に最終的に就きたいと思っていた。
お互いに明るい未来が開けていると信じていたのだろうと思う。
果たして今となると本当にそこに疑いがなかったのかは分からない。