夫の教えるA~Z
「よく似合うよ。…コレでイタズラは免れた?」
柔らかに微笑む彼に、私は小さく頷いた。相も変わらず、キザな演出。
…恥ずかしすぎて顔が上げられない。
俯いてテレていると、彼が私を覗き込んだ。
「で、俺には何くれるの?」
「は?」
「は?じゃねえよ『トリック・オア・トリート』だ。お菓子をくれなきゃイタズラするぞ」
「え?あ、……ち、ちょっと待って。キッチンに確かキャンディが……っあ…」
慌てて起き上がろうとした私は、敢えなくベッドに押し戻された。
「はい終了、時間切れ。イタズラ決定!」
「何それ、早っ‼」
「…帰るなりそんな格好で誘うから…今夜の獲物はトーコ、君だ……」
スーツ姿の伯爵様は、とうとうその想いに気づき、女の姿に変身させた、コウモリの首筋に甘やかな歯牙をかけた……
『ご主人様ぁ~、ついに私めを…』
あれれ?コレ……やっぱり夢から覚めてないのかな?
ハロウィン。
モンスター達の祭典は、夜と朝、夢と現の境にあって……
ハッ。
いかん、現実だよやっぱコレ。
オジサン、一体何やってるの。徹夜で無理しちゃダメだから。
「アキトさん、ちょっと待って……」
「待たん、襲わせろ~~‼」
(L おわり)
柔らかに微笑む彼に、私は小さく頷いた。相も変わらず、キザな演出。
…恥ずかしすぎて顔が上げられない。
俯いてテレていると、彼が私を覗き込んだ。
「で、俺には何くれるの?」
「は?」
「は?じゃねえよ『トリック・オア・トリート』だ。お菓子をくれなきゃイタズラするぞ」
「え?あ、……ち、ちょっと待って。キッチンに確かキャンディが……っあ…」
慌てて起き上がろうとした私は、敢えなくベッドに押し戻された。
「はい終了、時間切れ。イタズラ決定!」
「何それ、早っ‼」
「…帰るなりそんな格好で誘うから…今夜の獲物はトーコ、君だ……」
スーツ姿の伯爵様は、とうとうその想いに気づき、女の姿に変身させた、コウモリの首筋に甘やかな歯牙をかけた……
『ご主人様ぁ~、ついに私めを…』
あれれ?コレ……やっぱり夢から覚めてないのかな?
ハロウィン。
モンスター達の祭典は、夜と朝、夢と現の境にあって……
ハッ。
いかん、現実だよやっぱコレ。
オジサン、一体何やってるの。徹夜で無理しちゃダメだから。
「アキトさん、ちょっと待って……」
「待たん、襲わせろ~~‼」
(L おわり)